乙女ちゃん、すっかり歩けなくなりました。
ホットカーペットを使い始めた頃、2、3日よく寝るなあって日が続いたらあっという間に筋力が落ちてしまったのです。
老人が骨折などをきっかけに寝たきりになるというはこういう感じなのですね。
筋力が落ちただけでなく、手足が硬直してしまっていました。
柔軟性をすっかり失って固まってしまった感じ。
ごはんを食べる時は人間が体勢をセッティングしてあげたらかろうじて自立できるのだけど、バランスを崩して倒れてしまうことも多いです。(なのでごはんの時は両サイドを座布団で固めて倒れても痛くないようにしてます!)でも、自立だけでも筋力トレーニングになるだろうと思うので、頑張って自立してもらっています。
なので、排便排尿は寝たまま。
でも用を足した後必ず大きな声を出して教えてくれるので助かっています。お腹が空いたときや寂しいときも鳴きますが、長い時間一緒にいると今回は何で呼ばれたのか大体分かりますね。そろそろおしっこだなーとか、そろそろご飯だな、というように。なので介護するのは比較的楽です。ボケちゃってるけど、でも、コミュニケーションは取れているのがとても嬉しいです。
状態のアップダウンは当然あって、コンコンと眠る日もあれば夜泣きがひどい時もあります。特にソワソワがひどくて眠れない時はPsor.(ソライナム)をあげるとスコンと寝ます。今は18Cを使っています。1~3日に一回程度あげています。
レメディで筋力をつけるなんてことはできないけれども、この硬直した手足はConium(コニウム
)が良いのではないか?と考えていました。
老化なので歩けなくなるのも仕方がないこと、と半分諦めていたのですが、あげてみることにしました。歩けなくなってから2ヶ月以上経っているのであまり期待はしてませんでしたがものは試しで!
乙女の体力を考慮して低ポーテンシー(6C)を毎日。
4、5日続けたところ夜鳴きがひどくなったのでストップしました。
ひどく興奮してソワソワして眠れなくなってしまいました。
Psor.をあげるとまたコテンとぐっすり眠りました。
レメディを飲んだ後一時的に症状が悪化するのは良いサインであることが多いです。
乙女ちゃんの場合はソワソワがひどくなったわけですが、でもこの時はConiumが効いた確信は持てなくて、まぁ、合ってなかったのかもしれないな、今回は外れたなー。と思って2、3週間何も変わらず過ごしていたのですが・・。
いつも通り動かず(動けず)に眠っているはずの乙女ちゃんが、気がつくと位置がズレていることが度々ありました。
「あれ?乙女ちゃん動いた??」
でも、ずっと見張っているわけではないので、動いている現場を目撃できるわけでもなく。
しかし、お布団からはみ出て鳴いていたり、枕がズレていたり。
明らかに動いた様子が見受けられるようになりました。
そして、Con.を飲んでから3、4週間経ったでしょうか?
後ろ足が動きました!
前足はまだ硬直したままですが、時々床を蹴るようにしたり(だから動いていたみたい)お尻を拭かれるときは嫌そうに自転車漕ぎのように足を動かすようになりました。
すごい!!!!
大変化です。
乙女ちゃんも1mmも動けない生活よりずっと気持ちが良いのではず!
動けるようになってしまったのでお布団からはみ出てしまうことが増えましたが、でも春もすぐそこ。これからは真冬のように冷えを心配しなくても大丈夫でしょう。
このまま前足も動くようになるのか、改善はここまでなのかは分かりませんが今はこの後ろ足が動くようになった事実を喜びたいです。
コニウム、勉強したことはありましたが、私はまだご縁がなくて人間には使ったことがありませんでしたのでこの機会に改めて勉強し直しました。
以下、コニウムについて
Coniumコニウム
ドクニンジンのレメディ
ドクニンジンとはソクラテスの処刑に使われた毒と言われています。
ドクニンジンを飲むとゆっくりゆっくり脚から麻痺が始まって、でも意識ははっきりしてて、やがて麻痺が下半身から上半身に広がって最後は体全体が動かなくなる、という恐ろしい処刑方法(だったらしい)。
コニウムは古代ギリシアでは死刑の際に投与される毒薬として悪名高 い そ の 肢 も有名な犠牲者は,紀元前 399年の哲学者ソクラテスであるユダヤ法の下,ドク ニンジンは,際にされる罪人や石を投げつけ死なせる罪人に投与されたその目的は痛みを 鈍らせることにあった (Prismaより引用)
とありました。こ、怖い・・
でも罪人に石を投げつけて死なせるけど痛みを鈍らせてあげる目的ってことは処刑するけど慈悲の心の現れなのかしら・・だったら別の方法の殺し方もあるだろうに。と思わずにはいられません。
医薬としての利用は西暦1世紀頃から。有痛性持続勃起症、痛風の痛み、癌の治療や鎮痛剤として用いられていたそうです。
また、ドクニンジンの汁を乳房に擦り込むと母乳の出が止まり乳房が大きくなりすぎないようにできる。とか、性的不能の男性は,しばしば,自分が眠っている問に, 魔女が性器にドクニンジンの汁を塗ったと主張した。プリニウスは次のように記している。『確かなことは,分娩中 の女性の乳房にドクニンジンを塗布すると母乳は出なくなり,思春期の精巣に燦り込むと制淫薬として作用する 』(Prismaより)
とありました。
「こ、これは、魔女の仕業だ!(泣)」って必死に魔女のせいにしてる古代の男性を想像するとなんか笑けて・・今も昔も、その問題は男子の沽券に関わるのですね(笑)切実・・。
コニウムは性の問題と深い関わりがあります。セックスパートナーを何らかの理由で失って、その後性欲の抑圧があっての発症、長期間性交渉をしていない人の問題など。
性エネルギーの抑圧はどんなタイプの人にもあって、どんなタイプにとっても良いことではないのですが、コニウムは顕著にその影響が疾患となって現れます。
また、このレメディは高齢者の問題によく使われます。
なので乙女ちゃんに良いかもと思ったわけです。
高齢者に多いめまい、老人の無気力症、など。
老人じゃないけど年齢より老け込んだ人にも良いとされています。
不機嫌な老人。心を閉ざし、人嫌いになってしまったような状態に。
以前興味があったことに興味を示さなくなるのは認知症の初期のサインと言われていますがコニウムの状態もまさにそれで、無関心、気難しさ、無感動、非同情的な面が特徴です。
よってコニウムは老人性痴呆症にも良いです。
また
運動失調
多発性硬化症
神経編成症疾患
脊髄変性症などの神経系によく作用します。
このレメディに一貫しているエネルギーは
「だんだん固まっていく」
感じです。
心が柔らかさを失って固くなる感じ。
脚が動かなくなる感じ。
そして、細胞が固い石のように成長していく病気、そう「がん」にもとても良いレメディです。
「石のように硬い腫瘍や線に対して使用します」(臨床家のマテリアメディカ)とあります。
特に癌の痛みを緩和させるのにとても良いそうです。
先ほど乳汁の分泌を抑制させると紹介したように特に乳腺との親和性が良いレメディのようで乳腺の腫瘍に良いです。
他子宮、卵巣、前立腺、精巣など主に生殖器系の腫瘍に。
老化は仕方がありません。
私たちはだんだん水分を失い、弾力を失い、やがて枯れたようになって死を迎えます。乙女ちゃんもそう。若い頃は柔らかくてしなやかでお転婆な猫ちゃんでした。でも今は身体はカチカチで自分で動かすこともままならなくなっています。自然の摂理だから、抗っても仕方がないと思うと同時に、でも最後の最後までできるだけ快適でいてほしいと思っています。
寝ている時間がほとんどだけど、今回のコニウムで後脚を動かせるようになって改めて乙女ちゃんの底力を見たようでした。きっとまだまだ大丈夫。これからもホメオパシーの助けを借りながら見守っていきたいと思っています。
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